男性ホルモンと男性更年期

恋についての色々

少し前に、国立新美術館で開催されている
ルーヴル美術館展 愛を描く』(LOVE展)に行ってきました♡

ルーヴル美術館のコレクションの中から選りすぐりの「愛」にまつわる作品を集めた美術展。男女の愛・親子の愛・宗教における愛・日常の中での愛など、さまざまな愛のカタチが描かれています。

愛の神「アモル」(キューピッドですね)の絵も数多く展示されていましたが、
お母さんに怒られるアモル≪母に叱られ、ケレスの腕のなかへ逃げるアモル≫や、キリリと勇ましいアモル≪狩りをするアモル≫など、思わぬ一面が描かれている作品は見てて愛らしかったです( *´艸`)

恋に落ちるのは、多くの場合、相手を「見て」知ることから始まりますが、そんな愛の眼差しを描いた作品もありましたし、
相手を手に入れるための行為(古代神話をテーマとした作品が展示されているのでそうなりますが、男性は力ずくで相手を略奪する・女性は色香で男性を誘惑する、といった場面)を描いた作品はやや衝撃的でした。直接的かつ実力行使すぎる。

悲劇的な恋の結末が描かれた作品(悲劇の方が作品を描く際のテーマとしては好まれたようです)や、もちろん幸せそうな男女が描かれた作品もあり、
エロティシズムが展示テーマの作品スペースでは、愛の緊迫感をはらんだ作品もありました。展示作品数は多くありませんでしたが、見ていて、ちょっとドキドキです。

たまたま、美術展に行った時と同時期に図書館で借りて読んでいたのがコチラの本↓
『人はなぜ 恋に落ちるのか? 恋と愛情と性欲の脳科学』ヘレン・フィッシャー 著 大野晶子 訳

とても面白かったです。
目次はこんな感じです↓

人類学者である著者が、「恋愛感情とは何なのか」「こんなホルモンが関係しているのではないか?」と考察したり、「恋をしている時や失恋をした時に脳はどういった状態なのか」という実験などを行っています。ちなみに「国境を越えた恋愛大調査」では日本の大学に通う学生にもアンケート調査が行われたそうです。
数千年前から伝わっている世界各地に残る愛の詩(ラブ・レター)も数多く引用されていて、恋の苦悩や喜びは昔から変わらないんだなぁと、しみじみ思いました。

本の中で、特に私が印象に残った部分を幾つかご紹介したいと思います。

恋をしている人の脳はどのような状態なのか

著者は、激しい恋に落ちたばかりの人を集めて、愛する人の写真を見ている時とただの知り合いの写真を見ている時と、脳をスキャンし、比較するという実験を行っています。
(実験内容について詳しく書くと長くなってしまうので、気になる方は本を読んでみてくださいね)

その結果、愛する人の写真を見ている時は、脳の報酬系回路が活性化していることがわかりました。

以前に、↓のブログで「報酬系回路」について書きましたが、

『快感』ということについて他人にマッサージをしてもらって「気持ちがいい」と感じた経験。 ありませんか? 人に触れることを生業とする私にとって、 『触れられる...

のどが渇いた水が欲しい、
お腹が空いてる食べ物を食べたい、
と感じる時と同じく、

恋に落ちた人にとって、相手は水や食べ物と同じ、
自分にとって「必要」なのであり、「欲して」いる状態

なのだそうです。

のどの渇きって、我慢するのが難しく、水が飲みたくてたまらなくなりますよね。
その状態です。
今までで、一番激しい恋に落ちた時のことを思い出してみてください。
そんな感じです。

恋愛感情と性欲と愛着、と関係するホルモン

恋愛感情・性欲・愛着。
著者は、冒頭でこれらについて

 わたしは、恋愛とは交配と生殖のために進化した脳の三つの原始的なネットワークのひとつだと考えている。その三つとはーーーまずは「性欲」。これは性的なよろこびに対する切望で、ほとんどどんな相手とでも性的に結合できるよう、その動機を与えるために誕生した。それから「恋愛感情」。これは「恋する気持ち」にともなう高揚感と強迫観念で、そのときどきでひとりの相手にのみ求愛することで、貴重な交配可能期間とエネルギーを無駄づかいしないために生まれた。そして最後は、男女間の「愛着」。これは長いあいだつき合っている相手に抱くことが多い、落ち着いた、穏やかな安心感のようなもの。ふたりのあいだに生まれた子どもをともに育てているあいだは相手を愛していられるようにと、祖先のなかで進化してきたものである。
要するに恋愛は、人間の脳内構造と化学作用に深く刻みこまれたものなのだ。

「人はなぜ 恋に落ちるのか? 恋と愛情と性欲の脳科学」ヘレン・フィッシャー 著 大野晶子 訳 より引用させて頂きました

と述べて、考察を重ねていきます。

性的な結合を求め、生殖の幅を広げる「性欲」、
交配相手を自分が好ましいと思う特定の相手に絞り、エネルギーを集中させる「恋愛感情」、
人間の赤ちゃんは他の動物と比べても、かなり未熟な状態で生まれるので、子どもを安定した状態まで一緒に協力しながら育てるためのチーム体制を整える「愛着」。
(とはいえ、性欲・恋愛感情・愛着には、これら以外にも様々な目的があることも記されています)

性欲はテストステロン、
恋愛はドーパミン・ノルエピネフリン・セロトニン、
愛着はオキシトシン・バソプレシン、
といったホルモンや脳内の神経伝達物質が関係しているのではないかと、著者は考察しています。

男女ともに、テストステロン(男性ホルモン)が多い人ほど、性的な活動が活発な傾向にある。
ドーパミン・ノルエピネフリン・セロトニンは、恋をしている時に多くの人がする経験(胸がドキドキしたり、活動的になったり、やたらとエネルギーがあふれたり、眠れなくなったり、相手のことばかり考えてしまう)をもたらす。
オキシトシンやバソプレシンは、パートナーとの一体感や親近感をもたらすのに一役買っている。
などなど。

ただ、これらはその人の状態によっても影響が左右されるので、
(例えば、過大なストレスを抱えているとテストステロンの分泌量が大きく減少してしまったり、分泌量の変化によって性欲や恋をする感覚が鈍ったりもします)、
恋をしたい、性欲を保ちたいという方は、心身の健康状態を健やかに保つことも大切かと思います。

激しい恋心から穏やかな愛情への変化

多くの方が経験していると思いますが、
激しく恋に落ちた相手でも、一緒にいると次第に気持ちは穏やかな愛情へと変わっていきます。
心のつながりやパートナーとの一体感を感じる「愛着」へと。

なぜなのか。

まずは、思い出してください。恋をしている時のことを。
相手のことばかり考えてしまう、相手に自分を好きになってもらいたい、など。
(個人差や濃淡あるかと思いますが)制御しにくい想いに振り回されることも多いですよね。
エネルギーを相手に多く集中させてしまうため、そんな状態がずっと続くと心身が激しく消耗してしまうらしいです。確かに。
ある実験では、激しい恋愛感情は、約11週〜18週程までしか続かないという結果もでているそう。

また、人間の生物としての子育て形態やホルモンの変化なども関係があるようです。
人間の赤ちゃんは他の動物と比べてもかなり未熟な状態で生まれるので、チーム体制をとり、父親母親が協力しながら育てるという形へ、太古の昔になりました。

性欲とも深いかかわりのあるテストステロン(男性ホルモン)。
テストステロンの分泌量は遺伝的な要素もあり、個人差が大きいのですが、
男性は、結婚するとテストステロンの分泌量が下がり、子育て中もグンと下がるそうです。

実は他の動物でも、メスと一緒に子育てをするタイプのオスは、
子育て期にテストステロンが下がるそう。
(逆に、子育てはメスのみがして、妻子の元に留まらないタイプのオスはテストステロンの分泌量が多いそう)

なぜテストステロンは下がってしまうんだろう?と思ったのですが、
「あ、なるほど」と思った実験が記載されていました↓

ある実験で、一雌一雄関係を築くスズメのオスに、
テストステロンを注入したところ、それまで良き父親だったオスが、
巣ごと、妻と子どもを捨て、他のメスに求愛をし始めてしまったそうです。

あぁーヾ(・ω・`;)ノ

また、
愛着とも関係の深いオキシトシンとバソプレシン。
(セックス中に、乳首や性器を触られたときや、男性はオーガズムの瞬間に、バソプレシンの分泌量が急増するそうです。(女性はオーガズムの瞬間、オキシトシンが増加))

バソプレシンとオキシトシンについては、以前に↓でも書きましたが、

愛情ホルモンと縄張りホルモン♪今回は妊婦さんの強い味方として知られ、男性にも分泌されている 愛情ホルモン オキシトシンについて書きたいと思います。 オキシトシ...

男性にとっては縄張りホルモンともいえ、
自分の縄張り内の人間である「家族」への愛情を高めてくれるホルモンだったりもします。長く一緒にいると家族への愛に変わっていくとも、よくいわれていますが、こういったホルモンの影響もあるのかなと思いました。(子どもがいるいないに関わらず、恋から愛着への変化は起こるので)

さて、テストステロン(性欲)とバソプレシン(愛着)ですが、
お互いに影響することもあります。

先ほど書いたスズメの実験のように、
テストステロン(性欲)が強すぎるとバソプレシン(愛着)が抑制されてしまったり、
バソプレシン(愛着)が強すぎるとテストステロン(性欲)が抑制されてしまうことも。
男性ホルモンが高い男性は浮気性の傾向があるなんてデータがあったり、
家族への愛が強いと性欲が抑えられてしまう、、ということもあるようです。

ただ、著書が繰り返し述べていましたが、
タイミングや量によっても、ホルモンの相互作用が変わるようです。
テストステロンがバソプレシンとオキシトシンの分泌量を上げる、
バソプレシンとオキシトシンがテストステロンの分泌量を上げる、
といったポジティブな影響を与える場合もあります。

お客様とのお話の中で、
「パートナーのことはとても愛している。けれど家族的な愛で、性欲を感じにくくなってしまった」
というお悩みを口にする方も少なくないのですが、
(様々な理由があると思いますが)こういった元々の人間の仕組み、みたいなものも影響しているのだろうなぁと本を読みながら思いました。

とはいえ、パートナーといつまでも恋人同士のような関係でいれたらいいよね、
ということで、幾つかアドバイスが書かれているのですが、その中の一つに「パートナーと非日常的な体験をする」というようなものもありました。
非日常的な体験が恋愛感情の燃料であるドーパミンの分泌量を上げて、さらにドーパミンはテストステロンの分泌量を上げてくれる場合もあるので・・・。
ただ、非日常的な体験とは具体的にどんなものまでかは書かれていなかったので、そこは他の本なども含めて色々と調べていきたいです(9`・ω・)9

他にも、
動物たちの恋愛事情や、
どんな人が恋の相手として選ばれやすいのか、
人それぞれが持つ恋人を探す際に指針となる「愛の地図」のこと、
などなど興味深い内容がたくさん♪

愛着、穏やかで家族的な心のつながりやパートナーとの一体感を感じる愛。
幸せで尊いものと思いつつも、
相手のために死んでもいいと思わせるような強烈な恋愛感情(LOVE展の中にはそういった作品もありました)やその体験は、記憶の中に鮮やかに残っていて、
心のどこかで、またあんな気持ちが味わえたなら、と思う方も多くいると思います。

恋について考えたい方にはオススメかもです♥

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

アロマサロンSASARAE
https://www.sasarae.com

新宿駅のお隣り、京王新線初台駅より徒歩約5分。

男性の心身の不調にスポットをあて、
本格アロマテラピー
エサレン®ボディーワーク
を行っております。

心に響くような優しいタッチ
心身の深いリラクゼーション

完全予約制・プライベートサロン
性的なサービスは一切ございません

営業時間
10:00~23:00
(午前中のご予約は前日22:00までの受付となります。
最終受付20:00
当日のご予約受付は12:00~20:00まで)

ホームページ・Line・ショートメールより、
お問い合わせを承っております。