男性ホルモンと男性更年期

『快感』ということについて

他人にマッサージをしてもらって「気持ちがいい」と感じた経験。
ありませんか?
人に触れることを生業とする私にとって、
『触れられることの快感、気持ちよさ』は、とても興味深く、探求したいことの一つ。
私自身、触れられることは、
心地よいこと・快感だと思っているからです。

以前、図書館で見つけた本「快感回路」↓

今回は、読書感想と備忘録も兼ねて、
脳科学の分野から見た『快感』について書きたいと思います。

Contents

快感は「生きること」に必要

生きること、種をつなぐこと。
私たちの体は、そのために必要な行為を行った時(飲食やセックス)には、快感を感じるように設定されています。
上記の本ではその設定を快感回路と呼んでいましたが、一般的には『報酬系』と呼ばれています。

快感回路は、脳の腹側被蓋野や側坐核、内側前脳束、視床、視床下部、扁桃体、海馬などが繋がりあって構成。
ある行動をすると(経験をすると)、脳内の特定の部分(内側前脳快感回路、報酬回路)が活性化して、神経伝達物質であるドーパミンが放出⇒快感を感じる、というシステム。
(快感回路は経験だけでなく、「快い経験ができるかも」という期待でも活性化します)

例えば、とても美味しい食べ物を食べた→快さを感じた(快感)→また食べるためにはどうしたらいいのか(学習。意欲や行動アップ)→食べたらまた快い気分(快感)。
人間が能動的に生きていくうえで必要なシステムなのです。

なので、この快感回路。
飲食やセックスでのみ活性化するわけではありません。
飲食やセックスは生理的報酬(生物としての生理的な欲求が満たされること)というものに分類され、
他には達成報酬(お金を得ることや欲しい物を得ること、何か目標を達成すること)
社会的報酬(他人から褒められることや社会的な地位を得ること)などでも活性化します。

欲しかったものを手に入れた時、自分の仕事が評価された時。
脳内では快感回路が活性化し、快い気分(快感)を感じると共に、
またそれを得るためにはどうしたらよいか、
効率よく得るためにはどうしたらよいか、
更なる快感(もっといいモノや周りからの更なる高評価)を得るためにはどうしたらよいかを考え始めます。
そういった意味で、快感は人の行動の原動力ともいえるのです。

行き過ぎた快感(依存症)

「より良く生きるための原動力としての快感」も、一歩間違えれば「依存症」へと姿を変えます。

本にはラットの実験について書かれています。
快感回路を刺激する脳の特定の部分に電極を刺し、電流を流すと脳が刺激され、快感を感じるように設定。
ラットがレバーを押すと、電流が流れるようにします。
ラットはレバーを押すと快感を感じることを学習すると、
快感を得たいがために1時間に7,000回もレバーを押し続けたそうです。
中には、子育ても、交尾も、食べることや水を飲むことすら忘れて押し続けたラットも。

うわ、、、と思ったのですが、人でも似たような実験がかつて治療という名目のもとに行われており、その結果が書かれていますが、
ラットの実験結果と同様、快感を感じることがやめられない状態になってしまいました。

依存症としては、薬物依存症、ギャンブル依存症、アルコール依存症などが有名ですね。
脳の快感回路を長期間過剰に活性化させ続けていると、恐ろしいことに、快感回路自体が変化してしまいます。
(通常の神経細胞と変化してしまった細胞の写真がのっていましたが、明らかに形状が違いました)
通常は1で快感を感じられるところが、依存症の人は10ないと1の快感が得られなくなってしまうのです。

快感は快感回路というシステムがすべて?

著者は、

快感はすべて、内側前脳回路の活動とドーパミンの増加に還元できるというのだろうか。
その答えはイエスであり、ノーでもある。
イエスというのは、私たちが何かを快いと感じるとき、ほとんどすべての場合に内側前脳ドーパミン回路に関係する報酬の神経調節器が働いていると思われるからだ。
ノーというのは、快感回路が単独で活動していても、色合いや深みもない無味乾燥な快感が生じるだけだからである。
快感が私たちにとってこれほど力を持つのは、快感回路と脳の他の部分との相互連絡によって、記憶や連想や感情や社会的意味や光景や音や匂いで飾り立てられているからだ。

(「快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか デイヴィッド・J・リンデン 著 より引用させて頂きました)

と、述べています。
確かに、その時の光景や匂いや気持ちなどが絡み合い構成された快感と、
ラットの実験のような脳に直接電流を流して起こす快感とは、
快感の極上度が違うのではないかなと思います。

快感回路は、情緒・記憶・判断・学習などを司る様々な脳の領域から構成されているシステム。

それがフルに使われるような快い経験ほどインパクトに残るような快感となり得る、ということでしょうか。
一言で快感といっても、奥が深いです。

快感についての色々

本の中で興味深かったことを幾つか(。・ω・。)

快感の反対は痛みではない

快感の反対は、経験への興味の欠如。
快感と痛みは同時に感じるられる場合もあるそうです。
苦しいけれど、気持ちいいという感じ?
運動などがあげられます。

恋愛の幸福感を伴う快感と、性欲を主とした快感の違いについて

恋愛の場合⇒快感回路が激しく活性化+判断中枢や社会認知中枢が低下

性欲の場合⇒快感回路が激しく活性化+大脳皮質(運動、視覚、体の感覚を感じとる体性感覚など)が広範囲に活性化

といった違いが、脳画像でわかったそうです。
恋は盲目というもの。
恋愛をしている時は恋人のすべてが素敵に見えたという経験はありませんか?
また、性的な興奮の場合に大脳皮質が広範囲で活性化するのは、快感に焦点をおき、より快感を感じようとするからでしょうか。

愛情ホルモンとしてのオキシトシン

愛情ホルモンと縄張りホルモン♪今回は妊婦さんの強い味方として知られ、男性にも分泌されている 愛情ホルモン オキシトシンについて書きたいと思います。 オキシトシ...

オキシトシンの分泌が不十分な場合、オーガズム(快感)はあっても、セックス後の余韻(幸福感)が不十分となり、相手との性的な絆が上手く形成されないこともあるそうです。

先程、快感は奥が深いと書きましたが、
機械的な快感を得るだけよりも、幸福感を伴う快感を得たいと思う方の方が多いのではないでしょうか。

『非日常的』な経験は、快感回路を興奮させる

本では、瞑想・宗教的な神秘体験などでも快感回路が活性化することが書かれていましたが、普段と異なる状況はどこか気持ちが浮き立つような部分もありますよね。
日常で繰り返される行為を外れた経験は、それが些細なことでも、快い気持ちになることが多いのではないでしょうか。

最後に

今回は、『快感』を感じる脳の仕組みに焦点を絞って書いてみました。
システム自体はシンプルですが、
私たちの印象に深く残るような『快い(快感)』というものは、
快感という感覚だけでなく、その時の状況や気持ちなど、様々な要素が組み合わさって作られるものなのだと思います。

やっぱり快感って奥が深い。

そういえば、
色や音・匂い・形などが快感と結び付いた場合、快い刺激として、快感回路が活性化されるようになるそうです。
お仕事でも日常の生活でも、「気が進まないけれど、やらなくてはいけないこと」を、好ましい匂いや音などと上手く結び付け、快感回路を活性化させることができたら、やる気と積極性をもってできるようになるかもしれません♪

次は『触れる』という行為がもたらす、
ココロにもカラダにも良いことについて書きたいですヽ(*´∀`*)ノ

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