男性がかかりやすい前立腺の病気③（前立腺がん①）

前立腺炎、前立腺肥大症と書いてきましたが、
今回は『前立腺がん』について書きたいと思います。

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前立腺がん

前立腺がん

特徴

前立腺肥大症は前立腺の内腺（移行領域）が大きくなってしまう良性の腫瘍でしたが、前立腺がんは前立腺の外腺に主に生じることが多い悪性の腫瘍です。

なかなかいいイラストが見つからなかったため、自分で描いてみましたヾ(･ω･`;)ﾉ
左図の前立腺（イラストだと、前立腺が２つに分かれているように見えるかもしれませんが、尿道を取り囲むようにある１つの器官です）を点線のように水平に切った場合、断面がどのようになるかが右側のイラストになります。

発生割合としては、移行領域（内腺）約20％、中心域　約5～10％、辺縁領域（外腺）約70～75％なんだそう。

前立腺がんに関する統計がこちら↓

（前立腺がんの年齢別罹患率）
（部位別のがん罹患率：1年間に人口10万人あたり何例がんと診断されるか）

（年齢部位別がん死亡者数割合（40歳以上））

(あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標)

(出典:国立がん研究センター「がん登録・統計」）

前立腺がんは、50歳頃から増え始め70歳代がピークとなる年配男性に多いがん。

アメリカでは男性が罹患するがんの1位でもあるのですが、
日本でも食生活の欧米化、高齢化社会、前立腺がんに関する腫瘍マーカー（PSA検査）の普及などに伴い、前立腺がん罹患者数は今後も増えていくことが予想されています。

統計からもわかるように、前立腺がんはがんの中でも最も生存率の高いがんです。
がんの進行がゆっくりなこともあり、PSA検査などで初期に発見することが出来れば、死に至ることはほとんどないそう。
早期発見が大切です！
（ちなみにPSA検査は、前立腺がんの疑いがある場合として検査を行う場合は保険適用、そのような症状はなく人間ドックなどで行う場合は、病院によって価格の違いはありますが、約2,000円～3,000円で行うことが出来るようです。）

また、前立腺がんは『骨』に転移しやすく、次いで多いのがリンパ節。
骨に転移すると『激しい痛み』がでる場合もあり、腰痛などで病院を受診した際に見つかることも。

前立腺がんは、初期症状がほとんどないこと、PSA検査が個人の選択によって行われることが多いことから、
症状がかなり進行してしまってから発見される場合も多いので、
50歳以上の方は定期的に前立腺がん検査をするようにしてくださいね。

原因

前立腺がんになってしまう原因は、はっきりとはわかっていません。
ただ、前立腺がんのリスクを高める要因として、

年齢
50歳以降は誰でもなってしまう確率のあるがんといえます。
遺伝
血縁者に前立腺がんにかかった人がいる場合、リスクは何倍にも跳ね上がります。
また、50歳前でも前立腺がんを発症してしまう場合があるようなので、血縁者に前立腺がんにかかった人がいる方は、50歳前から、早めに定期的な検診をすることがオススメです。
食生活
動物性脂肪のとりすぎ、緑黄色野菜の不足などは、前立腺がんのリスクを上げます。
食生活の偏りは、前立腺がんだけでなく、メタボ・糖尿病など健康全般にとって様々な弊害をもたらします。