男性ホルモンと男性更年期

男性ホルモン③(男性ホルモンの力)

「男性ホルモン」とはいったい、どんな働きをしているのでしょう?

ホルモンの中でも「性ホルモン」といわれる「男性ホルモン」と「女性ホルモン」の最も重要な任務は、子孫を残すことです。
これは生き物の本能ともいえます。
そのために、私達の心身の基礎が出来上がる思春期(10歳前後)頃になると、性ホルモンの分泌が一気に急増し、「子どもを作り、育むことが出来る身体」へと変化していきます。

 

 「男性ホルモンの働き」

  1. 男性の生殖器の発育、性欲を高め、性機能を維持する
  2. 精子を作る
  3. 「男性らしい」体作り(いわゆる「たくましい体」へ)
    筋肉量を増やし、増強させる。
    最近では、筋肉自体が微量ではありますが、テストステロンを作り出し、筋肉を増強しているのではないか、という説もあります。
    骨を太くし、骨密度を維持する。
  4. 第二次性徴を起こさせる
    声変わり、ヒゲや陰毛が生え始める、精通など
  5. 内臓脂肪の蓄積防止
    脂肪をエネルギー源に変換
  6. 酸化窒素(NO)の産出促進
    NOには、血管の平滑筋を弛緩させる働きがあり、
    血管をしなやかに保ってくれます。
  7. 脳への働きかけ
    動物実験により、テストステロンは記憶や学習・認知機能を司る海馬や睡眠などに関与する「アセチルコリン」という神経伝達物質を増やすことがわかっています。
  8. 皮脂の分泌を促し、皮膚のコラーゲンを維持する
  9. 心理面への働きかけ
    男性ホルモンは感情や行動面にも働きかけを行います。
    活発的な行動、攻撃性、冒険心や競争心、チャレンジ精神、やる気、根気、など。
    テストステロンは仲間意識といった協調性や社交性、公平性や正義感を高め、いわゆる「男性からみても魅力的な男性」を作るともいわれています。
    テストステロンが多いか少ないか、男性同士の間で無意識のうちに「嗅ぎ分け」が行われ、テストステロンの高い男性ほど、男性からの人望も厚いそうです。

元来、男性は、家族が安全に過ごせる環境を整え、外で狩猟などを行い食料を確保し、外敵から家族を守るという役割を担ってきました。
身体が大人へと変化する際、男性ホルモンは、その役割を全うするため、心身を大きく変化させていくのです。
ちなみに、女性ホルモンについて簡単に説明すると、いわゆる女性らしい、子どもを産み育てることができる心身を作るホルモンで、妊娠の成立・維持を可能にし、骨や血管を強くしたり、肌や髪のうるおいやツヤを保ち、代謝を促進し、肥満を予防してくれたりします。また、心理面では穏やかさや従順性などがあげられます。

以上のように、性ホルモンとは、性機能を整え、子孫を作ることができる身体へと変化させると同時に、異性からみて子孫を作りたいと思わせるよう、異性を引きつける「魅力」を高めます
また、それと同時に、家族・子孫を守っていけるように健やかな身体を整え、維持するという大きな役割を持ったホルモンなのです。
なので、更年期という子孫を作る役割を終える時期に、性ホルモンは大幅に減少し、私達の身体はその大きな影響受けます。

 

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