今回は男性におすすめ「男性力を上げる精油」を紹介したいと思います♪
「男性力」を上げる精油
アロマテラピーで使われる精油には数多くの種類があります。
メジャーなものから、あまり人に知られていない精油まで、その数200種類以上!
その中でも、男性に効果的と思われる3つの精油について書いてみようと思います。
ニアウリ・ネロリドール
男性ホルモン様作用(男性ホルモンのような働きをしてくれる)のある精油として一番知られている精油ではないでしょうか?
ニアウリの大木と海岸の風景-photolibrary
ニアウリはニューカレドニアやオーストラリアに自生しているフトモモ科の木で、葉や小枝を水蒸気蒸留法という方法にかけることで精油が抽出されます。
殺菌・抗菌・抗ウイルス作用が強く、いたる所に生えているニューカレドニアでは感染症が少なく、空気も綺麗なんだそう。
現地では昔から、風邪や切り傷、体の痛みなどに万能薬としても使われてきました。
ニアウリから抽出される精油には幾つかのケモタイプが存在します。
「精油のケモタイプ」とは、同じ植物であっても育った気候や土壌によって、成分がまるで別物のように異なってしまうこと。
例えば、ワインなんかを想像してもらえるとわかりやすいかと思います。
産地によって味が異なったりしますよね。
精油も、植物学的には同じ植物から抽出されたものであっても、含まれる成分が劇的に違う場合、香りもまるで違くなってしまうことがあります。
そのためアロマテラピーでは、そのようなものを区別しているのです。
ニアウリ精油には、メジャーなケモタイプとして2つのケモタイプがあります。
ニアウリ・シネオール(学名Melaleuca quinquenervia CT.cineole)とニアウリ・ネロリドール/リナロール(学名Melaleuca quinquenervia CT.nerolidol/linalool 別名をネロリーナ精油ともいいます)です。
ニアウリ・シネオールは1,8シネオールという成分を多く含むもの。
ニアウリ・ネロリドール/リナロールは1,8シネオールという成分はほとんど含まれず、ネロリドールやリナロールという成分が多く含まれます。
このニアウリ・ネロリドール/リナロールに含まれている、「ネロリドール」という成分が、男性ホルモンを作るよう指令を出す脳の下垂体に刺激を与えて、男性ホルモンが作られる精巣や副腎に影響を与えるようなのです。
(「男性ホルモン①(男性ホルモンが作られるまで)」を読んで頂けるとわかりやすいです。)
なので、ネロリドールが豊富に含まれるニアウリ・ネロリドール/リナロール精油は男性ホルモンアップや男性更年期障害にとてもおすすめの精油となります。
ちなみに2つのケモタイプ精油の成分の違いとしては、
ニアウリ・シネオール
1,8シネオール 50〜60%
αピネン 5〜15%
リモネン 2〜10%
αテルピネオール 3〜10%
ビリジフロロール 5〜10%
ネロリドール 2〜10%
微量成分としてβ-カリオフィレン、酢酸テルピニル
(「アロマテラピーの教科書」和田文緒著より引用)
ニアウリ・ネロリドール/リナロール
αピネン 1%
リモネン 0.5%
1,8シネオール 3.2%
リナロール 30.1%
テルピネン-4-オール 0.1%
αテルピネオール 0.9%
E-ネロリドール 59.7%
(出荷商品成分分析表:ニアウリ リナロール・ネロリドル ケモタイプ / ネロリーナ | ティーツリーファームズさんより引用させて頂きました。)
見てわかるように似たような成分が含まれてはいますが、含有量はかなり異なります。
1,8シネオールが多く含まれるニアウリ・シネオールはスーッと清涼感のある香りでリフレッシュ効果が強いのに比べて、
ニアウリ・ネロリドールは、甘さのあるハーブ調の香りでリラックス効果が強く、疲労やストレスから何をするにしても気力が出ない無気力な時、イライラや不安が強い時に心を穏やかに前向きな気持ちにしてくれます。また体に対しては、リウマチ・関節炎などに炎症を鎮める作用や血圧を下げる作用が期待出来たり、呼吸器系の不調や帯状疱疹や湿疹などのお肌のトラブルにも効果が期待できます。
注意点としてはニアウリ・ネロリドールを女性に用いた時、過剰反応を起こしてしまったという臨床例があるので、女性の方は要注意!
また、ニアウリ精油というと、一般的にはシネオールタイプを指すことが多いので、購入の際には学名をしっかりと確認してくださいね。
ジャスミン
ジャスミンの甘くエキゾチックな香りは「愛」と「官能」の象徴として昔から愛されてきました。
その濃厚な香りは男女問わず昔から媚薬として用いられたり、あのクレオパトラもお気に入りだったそう♪
ジャスミンはペルシャ語の「ヤースミーン」という「神様からの贈り物」という意味の言葉が語源になっています。
ローズが「香りの女王」に対してジャスミンは「香りの王様」と呼ばれることも。。
そんなジャスミンの精油は花を有機溶剤抽出法という方法にかけることで抽出できます。
ただし、1トンの花から約1㎏しか精油を抽出することが出来ず、一般的な精油と比べてもお値段はとても高価。(欲しいけれどお値段が、、と涙をのんだことも(笑))
このジャスミン精油も微量ながらネロリドールを含む精油になります。
ジャスミン精油は体への効果というよりは、気持ち的なものに作用する力が強い精油になります。
物事が上手くいかず、ストレスや不安、心配が消えない時。こんなはずではないのにという悲しみや不満が解消できない時。その香りは、幸福感や気分を高揚させてくれるため、ストレスや緊張を和らげ、自信を取り戻させてくれます。
昔から媚薬に用いられてきたように催淫効果も期待でき、性的な不調の改善や精子数の増加も期待できます。
注意点は、香りが強いため使いすぎると気分が悪くなってしまうことや皮膚への刺激性があるので、少量の使用がオススメです。
パイン・スコッチ
パインとは「松」のこと。 パインスコッチはヨーロッパやロシアなど広い範囲で生息しており「ヨーロッパアカマツ」や「オウシュウアカマツ」という名前でも知られています。
日本人にも馴染みの深い松ですが、針葉や球果を水蒸気蒸留法にかけることで精油は抽出されます。
パインスコッチ精油の香りはフレッシュな森林を思わせる香り♪
モノテルペン炭化水素という天然の有機化合物が70〜80%含まれており、優れた殺菌作用や抗ウイルス作用から空気の浄化やそれに伴う感染症の予防も期待できます。
風邪やインフルエンザが流行る時期にこの精油の芳香浴はオススメ♪
気持ちが疲弊している時や自分を否定したくなる時。爽やかさを感じるこの森林の香りは、まるで森林浴をしているような気分にさせてくれ、イライラした気持ちや落ち込んでいる気持ちを切り替え、落ち着かせてくれると共にリフレッシュさせてくれます。
またモノテルペン炭化水素には副腎皮質ホルモンの働きを刺激する作用も期待できます。(男性ホルモンや若返りのホルモンであるDHEAが副腎皮質で作られることは前にも述べた通り。その点でもいい効果をもたらしてくれるのではないかなぁと期待しています。)
また体への作用としては、肥満を抑えたり抑制する抗肥満作用、呼吸器系の不調の改善、血行の促進やうっ滞除去作用も期待できるのでムクミにも効果が期待できます。
生殖腺や男性ホルモンへの効果も期待でき、精子の産出を刺激したり、不感症やインポテンツの症状にもオススメです。
「ナチュラルテストステロン」という本では、男性の体内のフリーテストステロンを増加させ、アンドロゲン(男性ホルモン)とエストロゲン(女性ホルモン)のバランスを均衡状態からアンドロゲン優位の方向に向かわせる植物アンドロゲンとして「松」をあげています。
特に多くのテストステロンが含まれる部位として、松の花粉をあげていますが、松の実や樹皮、針葉にも穏やかな男性ホルモン様作用があることが書かれています。
摂取方法は経口摂取なので、精油の作用はまた異なると思いますが、とても興味深かったです。
それにしても松の花粉って。海外では錠剤やチンキとして売られているようなので驚きです。。。
注意点としては、松にも様々な種類があるため、購入する際にはパインスコッチ精油の学名(Pinus sylvestris)をしっかりと確認してくださいね。
また皮膚への刺激性があるのでマッサージなどで使用する際には少量の使用がオススメです。
以上3つの精油を紹介しましたが、、、
他にも催淫作用で有名なサンダルウッド精油とイランイラン精油。
サンダルウッド精油は男性ホルモンであるテストステロン値を整える効果、イランイラン精油は精巣への刺激作用からインポテンツの症状にも効果が期待できます。
また前述したネロリドールが含まれる精油としては他にも、ビターオレンジ(日本ではダイダイと呼ばれています)の花から抽出される貴重で高価なネロリ精油もあげられます。
紹介した精油について、精油のブランドによっては取り扱っていたりいなかったりするようなのですが(特にニアウリ・ネロリドール精油はまだあまり知られていないので)、比較的簡単に手に入るメーカーさんとしては「生活の木」さんで全部取扱いはあるようです。
生活の木さんは全国展開しており、デパートなどにも入っているので、興味がある精油がありましたら、香りを感じてみてください♪
(参考にした書籍)
「カラーグラフでわかるエッセンシャルオイルの特性と使い方」ローズマリー・キャディー著、川口健夫/川口香世子訳
「カラーグラフで読む精油の機能と効用」三上杏平著
「アロマテラピーの教科書」和田文緒著
「プロフェッショナルのためのアロマテラピー」シャーリー・プライス/レン・プライス著 、川口健夫/川口香世子訳
「ナチュラルテストステロン 男性更年期とハーブの活用」スティーブン・ハロッド・ビューナー著、飯嶋慶子訳