アロマテラピー

「和精油」の生産者さんを訪ねて♪(三重県津市)②

和精油」の生産者さんを訪ねて♪(静岡県・青森県)①」の続きになります♪

タナカ園芸(三重県津市)

国産精油ができるまで

タナカ園芸ではこれまでの苗木生産の経験から、植物や樹木のもつ様々な癒しの効果に着目しました。
その中でも「香り」は、人の心と生活に潤いを与えることができると感じ、当園で生産されたティートゥリーから精油の精製にチャレンジしました。
最適な枝葉の採取方法、調整、精製方法にわたり試行錯誤を繰り返しながら、商品作りを行いこだわりの国産精油が完成しました。
ティートゥリーを育てている農家が自信を持っておすすめする精油です。
当園オリジナルの国産ティートゥリー精油がもつ、爽やかでいながらもやさしい香りを感じてください。

タナカ園芸のティートゥリー農園です。
化学肥料や農薬を一切使用しない専用の圃場で大きく育っています。
(HPより引用)

実は「精油って何?」記事中のティートリーの水蒸気蒸留の様子は、タナカ園芸さんで見学させて頂いた際のお写真だったりします。

タナカ園芸さんでは、ティートリーを水蒸気蒸留し精油を作る過程や、精油の原料となるティートリー畑を見学させて頂きました。

蒸留前の青々としたティートリー。
約4.5㎏入っています。
ティートリーの樹から伐採し、蒸留器に入るよう細かく裁断するのもすべて手作業で行っているそうです。。
細かくするのが大変で、約3時間かかってしまうとか。
もちろん他にもしなければならないお仕事はたくさんあり、精油の抽出は1日2回が限度だそうです。

抽出時間はだいたい2時間~2時間30分とのこと。
綺麗な緑色だった葉がすっかり茶色に!
抽出時間をもっと長くすると、精油はより多く採れるのですが、香りに出がらしのような渋みが混ざってしまうのだとか。

私が見学させて頂いた際の精油の抽出量は、ティートリー約4.5㎏から精油60ml弱ぐらいでした!
少ない時は35mlほどしか採れない時もあるとのこと。
収油率はだいたい1%!
同じティートリーでも、それぞれ木に個性があり、葉と葉の間が詰まっていたり、離れていたり、
また精油の香りにも同様のことがいえ、抽出を行った年や時期、木の個性によっても香りが微妙に異なるのだそうです。

抽出が終わるまでの時間に様々なお話を伺うことが出来ました。

こちらでは「herbique(ハービック)」という、お家で植物の芳香蒸留を行える芳香蒸留器を販売されています。(採れるのは芳香蒸留水(ハーブウォーター)がメイン。精油は採れたとしてもごくごく微量です)

精油の蒸留見学の際に芳香蒸留水を販売して欲しいとのお客様のご要望をきっかけに生まれた芳香蒸留器ハービック。。
当初は芳香蒸留水を売ることが出来ないか考えたそうなのですが、ティートリーの成分が混ざっているとはいえ、大部分が水。
お客様のもとに安全にお届けするには添加物などを入れなくてはならず芳香蒸留水の販売を断念されたそうです。
ですが、そこから発想を逆転し、では芳香蒸留器が作れないかとお知り合いの窯元さんにご相談されたところ、たまたまその方が蘭引(らんびき)を持っていたそうです。
(ランビキとは、江戸時代中期から明治時代頃まであったといわれている日本製の陶器の蒸留装置です)
なんて運命的な!
その方が所有されていたランビキはハービックよりかなり大きなものだったそうなのですが、違う窯元さんの元、三重県工業研究所との共同開発により試行錯誤の末2年近くの歳月を費やし、現在のハービックが生まれたそう。

ハービックは型があり、それを元にして焼いていますが、当初は何十個と焼いても、焼きあがったら多くが割れてしまい、数個しか残っていなかったこともあったとか。
またハービックは3つの陶器を重ねる形ですが、陶器と陶器が合わさる部分の調整を窯元のおじいちゃん職人さんが一人で行っているそうで、多くの注文に職人さんが体調を崩されてしまうこともあったりで、きちんと個数が確保されるギリギリまで入荷のご案内が出来ないそうです。

タナカ様いわく、当初はこんなに人気が出るとは思っておらず、また実際に販売個数も少なかったそうです。
ですがSNSから評判が広がり、今では入荷を楽しみにしている方が多くいます。
「出来るだけ安い方がいいでしょう?」と包装はシンプルに、お値段はかなり抑えて設定。。
正直利益は、ほぼ・・・・・・とのこと、値段をもう少し上に設定しておけば良かったと笑いながらお話しされていました。。

タナカ園芸さんの精油がこちら↓

写真のティートリーの精油以外にレモンティートリーの精油があります。
私個人の香りの感想としては、爽やかな清涼感と甘さを感じさせる丸みのある香り、というイメージです。
本当は抽出してから時間を置くと、ワインの熟成のように香りがもっとよくなるそうです。
オーストラリア産の同じく有機ティートリー精油と香りを比べてみたのですが、
オーストラリア産の精油はズシリとした男性的な香り。
タナカ園芸さんの精油は優しく甘い女性的な香り。
というイメージを持ちました。
ティートリー精油で甘さを感じたのは初めてだったので、色々な方に香りを感じてもらって感想をいただきたいなぁと思いました♪

タナカ園芸さんの精油瓶は細長く、1滴の目安が0.025mlになります。
このドロッパーにもこだわりがあり、どのドロッパーが一番精油が使いやすいか、決まるまでに何種類もドロッパーを集め、知り合いのアロマスクールで何か月か実際に使用してもらい感想を聞いて決めたそうです。

農園の様子がこちら↓

フトモモ科の植物は、害虫や病気には強いのですが、雑草との戦いも壮絶なんだそう。
ひたすら雑草を皆さんで抜くそうです!
農園は何か所かあり、精油の元となるティートリー農園はまた別にあります。


精油の抽出できるメディカルティーツリーのお花です。
花の見頃の時期は過ぎてしまっていたのですが、見頃になると写真のふわふわの白い花でいっぱいになり、まるで木に雪がかぶっているようになるそうです!
見たかったーー♪
他にも、メラレウカ属の植物はピンクや薄紫のお花が咲くものもあるそうです。
ちなみにティーツリーといっても、ブラックティーツリーなど様々な種類があり、精油が抽出される木は学名「Melaleuca alternifolia」です。
間違えてしまう方もいるそうなので、ティートリー精油が抽出される木が欲しい場合は、学名を伝えた方が間違いがないとのことでした。

メディカルティーツリーのお花で精油の抽出をしたこともあるそうなのですが、ティートリーの精油のような香りはしなかったとのことでした。
また、お茶のようにティートリーの新芽だけを使って精油の抽出を行ったら香りがまた異なるのではないかとのお話しもされていて、ただ、行うにはかなり手間がかかってしまい、まだ行ってはいないそうなのですが、いつか行ってみたいともお話しをされていました。

前回の記事と併せ、以上3か所の和精油の生産者さんを訪ねました(*´ェ`*)
どなたも育てている植物への愛情、香りへのこだわりは強く、植物と真摯に向き合っていることが、お話を伺う中で、とても伝わってきました!
そして何より、より良い香りを、という試行錯誤の取り組みがすごいのです!

実際に生産者さんの元を訪ね、お話を伺う。

アロマセラピストにとって、これほど貴重な時間はないかと。。
その精油に対する愛着も湧きますし、お客様に生産者さんの想いを伝え、自信を持ってオススメも出来ます♪

以前と比べ、蒸留の様子や畑を見学させてくれるメーカーさんも増えてきました♪
メーカーさんは地方であることが多いので、なかなか行きづらい一面もあるのですが、また見学&お話を伺って来たいと思いますヾ(*´ω`)ノ゙

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