男性ホルモンと男性更年期

イケない男性とイケない女性

以前に代々木忠さんの『プラトニック・アニマル SEXの新しい快感基準』を読みました。

電車の中でカバーなしで読めない表紙に一瞬「おおっと」と思いましたが、
内容は深く、とても勉強になるものでした。

「心から気持ちよくなれるセックスをしたいけれど、どうしたらいいかわからない」とセックスに悩んでいる方も、そうでない方にもおすすめ。

数多くのアダルト動画を撮影した代々木監督の体験や感じたことをベースに、
オーガズム(深い快感)に到達するための、
セックスをするうえでとても大切なメンタルのあり方・整え方などが書かれています。

イケない男性とイケない女性

現代社会において、イケない男性・イケない女性が増えています。
心の底から満足するような、気持ちがいいセックスができない。
それは現代人が置かれている社会環境にもよるようです。

本の中で、銀行で働く女性が街でスカウトされて面接にやってきますが、
彼女の職場環境について

 現代の社会においては、自己を強固にせざるをえない状況が私たちを取り巻いているのもまた事実だ。
…全員が全員を信用していない。人に自分を見せられない。自分の本音はぜったいにのぞかせない。弱味を握られてはならない。ほんのちょっとのことで引きずり降ろされてしまう。一つでも上のセッションに行けば、いくらかでも給料は上がる。それは凄まじい世界である。
しかし、これは彼女の職場に限ったことではなく、多かれ少なかれどんな企業にでも言えることではないだろうか。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

と書かれています。似たようなことをおっしゃるお客様も少なくなかったので印象に残りました。

「加算方式ではなく減点方式で、いかにミスをしないかが重要」
責任のある立場になればなるほどに、日々、様々なことに気を配り神経をすり減らすことが多くなっていきます。とりわけ職場の人間関係にはかなり細かく気を遣っている方も多く、意識していなくとも、大きなストレスになっていることも少なくないだろうなぁというのが、私の正直な思いです。

そして、そのような環境で生き抜くために、社会的な自分の仮面を作りこめば作りこむほど、しっかりとかぶればかぶるほど、プライベートにおいても仮面を脱げにくくなる・脱げなくなってしまう。
そのメンタルの状態のまま意識せずセックスに臨んでしまい、結果として、実はセックスに心から没頭できていないという人が増えているようです。

深い快感(オーガズム)とは

著者はオーガズムについてこう述べています。

オーガズムとは何か
人間は概念思考に基づく<制度の世界>と本能に基づく<本音の世界>に生きている。学校や会社や国家は制度の世界に属しているが、SEXとは本音の世界のものだから、「かくあらねばならぬ」という制度の世界のよろいかぶとをどこまで脱げるか、自分の価値観や固定観念をどこまで捨てられるかが重要になってくる。
本当は捨てたくても、捨てようとしたとき、人からどう思われるだろうかという自意識が邪魔をする。だがそれは、本音の世界に制度の世界の価値観や固定観念を持ち込んでいるということなのである。

SEXが楽しめなければ、オーガズムを体験できるわけがない。
見栄やプライドを捨てられなければ、オーガズムを体験できるわけがない。
自分の弱味を握られまいとしながら、オーガズムを体験できるわけがない。
人によく思われたいと思っていて、オーガズムを体験できるわけがない。
SEXに一抹のやましさを覚えていて、オーガズムを体験できるわけがない。

これらはみな同じことである。
自分を大切に取っておいたまま、SEXでイクことなどできない。
制度の価値観や固定観念を捨てるときには、徹底的に捨てなければならない。
SEXをするときに、よろいかぶとは脱がなければダメだ。でもそれは、終わってからすぐまた着ければいいだけの話である。また着けて、約束事や価値観が大切な制度の世界にきちんと戻ればいいのである。
オーガズムの原理はとても簡単である。しかし、オーガズムを体験するのはとても難しい。
なぜなら、オーガズムとは、制度の世界で自分を自分たらしめている自我=エゴから自分自身を解放する、<エゴの崩壊>であり<エゴの死>であるのだから‥…。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

 男のオーガズムというと、ただ単純に射精のことだと思っている人は多いはずだ。
ところがオーガズムを体験した女性に聞くと、オーガズムというのは経験すればするほど深くなっていくという。なるほど男にとっては、射精も快感には違いない。しかし、オーガズムは単なる排泄行為の一種ではない。普通の射精とは、快感の深さが比較にならないほど違うのである。だからオーガズムを体験すると、男が失神してしまうことも起こりうる。
イケない女たちが増えている。だが、男たちはそれ以上にイケないのである。
なぜ男はSEXでイケないのだろう。
・・・・
男は女以上に自分の中に「かくあらねばならぬ」という世界を作っている。制度の世界のよろいかぶとを脱げないのは、実は男のほうなのだ。
私は制度の世界を否定しているのではない。ただ、制度の世界がすべてだと思うと、自分の中で相当な苦しみが生まれるし、SEXでイクことなどはできないと言いたいのである。
・・・・
本当のオーガズムを知ったとき、男は自分の人生を充実したものにできるのである。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

これまでに伺ったお客様のセックスに関する悩み事に対する答えのヒントがここにあるのでは、と長文引用させて頂きました。

セックスの中で男性も女性も、「私はこういうイメージ」と格好をつけてしまったり、世間一般のセックスで「男は・女はこうしないといけないというイメージ」に囚われてしまうと、本当の自分の欲求を隠してしまったり、気付くこと自体も難しくなります。
例えるなら全裸になれず、しっかりとスーツを着込んだままセックスしているようなもの。
お互いに肌と肌が触れあうことのできないセックス、それでは深い気持ちよさや心地よさを感じることは難しいだろうなと思います。

ただ、「こんなことしたいと言ったら・望んだら、パートナーに引かれてしまうのではないか・嫌われてしまうのではないか」「いまさら、夫・妻には言えないし恥ずかしい」と、思っている方が多いのも事実です。大切な自分の場所だからこそ怖いですし、自分のデリケートな部分を否定されるのも怖い。

本の中で、仮面を脱ぎやすい場所として、風俗店など見ず知らずの相手と接する場所をあげています。
普段の自分を全く知られていない人だからこそ格好をつけなくていいですし、万が一引かれてしまってももう会うことはありません。
ただ、ここでも「セックスを心から楽しむ」というまっさらな気持ちではなく、せっかくお金を払っているんだから何回は気持ちよくなりたいなんて気持ちでいると、結局は変に格好をつけてしまったり仮面を脱ぎきれずに、虚しさを抱えてしまうことにもなるようです。

しかし、きょうは何発やるぞと意気込んでいくと、一番肝心なものを逃してしまう。SEXで空しさを排泄して、同時に空しさを覚えて、洋服を着て、後ろめたさを持って出てくるよりは、自分の身の上話をしたり相手の生い立ちを聞いたりと、なにかやさしさにふれるほうが気持ちがいい場合だって現実にある。本来裸になるべきところなのだから、すべて脱ぎ捨ててしまうべきだ。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

(女性向けの風俗店が密やかに急増しているという話をお客様がされていたことを思い出しました。男性も女性も、仮面を脱ぎにくくなっている人が増えているのでしょうか)

性欲や性機能が低下しているというお悩み

を抱えているお客様も多く、
性機能の低下は男性更年期障害の一つでもあります。
その中の勃起障害について

なかには一回や二回じゃなくて、ここのところしばらく立っていないんだという人もいるかもしれない。
もしも交通事故など物理的な原因でその機能を損傷してしまった人ならば別だが、精神的なインポであれば、心を解放してやることによってそれは必ず治るものである。

・・・・現代の男たちがオーガズムを体験できないのは、自分の感性を粗末にしすぎているからであり、知性的であろうとするがあまり本能を醜いアヒルの子にしてしまったからである。
・・・男たちは『醜いアヒルの子』にされてしまった自己の根源である本能を、愛し、慈しみ、母性という名の『白鳥』にまで育んでいかなければならない。そのためには、まずあなたの心を概念思考がもたらしたさまざまなストレスから自由にしてあげることが先決である。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

引用させて頂いる部分の関係もあり「男たち」とありますが、女性にも同じく当てはまること。

(本の中でも、セックスに最も適した体の状態を作る方法の一つとして性感マッサージの実践方法が紹介されていますが、)

肌と肌が触れあうマッサージは、純粋に自分の体が触れられる感覚に意識を向けることができる方法の一つであり、自分の「感性」を取り戻すため、もしくは高めるためにとても有効な手段の一つではないかなと私も思います。

勃たない時は焦燥感を感じてしまいがちですが、そういう時は方法をシフトチェンジして、挿入しないセックスを楽しむこと。
「勃たせないと」「男の沽券に関わる」などプレッシャーを感じれば感じるほどに、
ストレスになり、緊張状態となり、身体は上手く機能しなくなってしまいます。

以前にも書きましたが、勃起はリラックスの神経である副交感神経が優位になっていないと起こらず、射精時は副交感神経が交感神経へと切り替わることで起こります。
「自律神経」は、無意識状態でも身体を生存のために調整してくれるという素晴らしい機能である反面、自分が意識してどうこう調整できないのが厄介なところ。

同様に、イこうと思えば思うほどにイケなくなりますし、オーガズムを体験しようと意識すればするほどオーガズムが遠ざかってしまいます。

セックスをするうえで大切なコト

セックスにおいて大切なことは、相手に対して心から「感謝」の気持ちを持つこと。
自分が相手を気持ちよく「してあげてる」という上から目線でなく、
相手が「心を開いてくれている」(気持ちよくなってくれている)ありがとう、という気持ちが大切と本の中で説かれています。
直接的な触れあいだからこそ、言葉にしていなくとも、はっきりと自覚していなくとも、相手に伝わってしまったりするんですよね。
これは普段、トリートメントをしていて思うことでもあります。

そして、お互いに「楽しむ」こと。
これが普通なんてセックスはないですし、体調によっても気分によっても、盛り上がるセックスの内容は異なります。その時々に2人で織り上げていけばいいと思います。(ただし、相手の意思やペースを尊重することが大切)

SEXは愛撫の方法や体位などという外側のテクニックではないということだ。具体的・個別的な「あなた」と「あなたの彼女」が存在していないマニュアルをいくら忠実に実践しても、生身の女はイッたりしない。SEXを型にはめてしまうと失敗するのである。
(代々木忠 『プラトニック・アニマル』より引用させて頂きました)

最後に

本の内容には、アダルト動画撮影で実際にあったことや具体的な方法の記載もあり。
「興味深いと感じました」という内容がたくさんあったのですが、紹介したくても紹介しきれないので、気になった方は是非本を読んでみてください。
(目次⇓)

「セックス」と「お身体に触れる施術(マッサージやリラクゼーショントリートメントも含め)」は共通する部分もあるように感じます。
とりわけ、肌と肌が直接触れあう施術はなおさら。
さざ波のような心の機微も、お客様に伝わってしまいます。
トリートメントをしていて思うのですが、肌と肌の触れあいは、本当に「心と心の触れあい」。
本の中には「男性がイカせようとすればするほど、女性がイケなくなる」という内容も書かれていますが、トリートメントでも「気持ちよい時間を過ごしてもらおう」と気持ちが入りすぎて、逆に上手くいかないことが私の場合あります。
気合がはいりすぎて空回ってしまうというか、逆に体に力が入ってしまって動きが硬くなってしまうというか。
お客様の身体に触れて、触れあう心地よさを私自身が感じて楽しめているような時が、不思議と一番お客様にも伝わるものがあるようです。

(ホームページにも記載しておりますが、当サロンは性的なサービスやそれに近いサービスも一切ございません。こういった内容を書くと、そういったサービスがあるのではと誤解されてしまうお客様もいるのですが、まったくございません。
ただ、男性更年期障害の一つとして、性機能に関するお悩みを抱えている方は多く、お役に立てたらいいなと思われる情報の提供や、自然の香り(アロマテラピー)や純粋に「触れる」ということ(トリートメント)を通して、ストレスケアや心身のバランスを整えるお手伝いができたらいいなと思っています。)

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アロマサロンSASARAE
https://www.sasarae.com

新宿駅のお隣り、京王新線初台駅より徒歩約5分。

男性の心身の不調にスポットをあて、
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を行っております。

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